2008年10月11日土曜日

第2回希望の島・東ティモール 【10/12(日)13:00~】

第2回 希望の島・東ティモール ―有機農業と私たちの未来―
2008年10月12日(日) 新宿ハーモニックホール
[OPEN]13:00 [START]13:30


081012event_flyer_a.jpg081012event_flyer_b.jpg
 
常夏の美しい島 東ティモール。
近年まで続いた他国による軍事侵攻では3人に1人が命を落としました。

2002年、独立という新しい出発を迎えた東ティモールは、同時に新たな課題に直面することになりました。急速な近代化の波と失われ行く伝統文化。資源を巡ってなおもチラつく周辺諸国、貨幣経済-そんな難しい状況で、水牛で耕し、祭りと共にある伝統農を守り続けようとする人々がいます。

日本にも、近隣が助け合い、農作業に唄が聞こえた時代がありました。
近年の大量生産 大量消費は、海外での資源戦争と自然破壊を呼ぶだけでなく、私たちの社会を物寂しく変えたのではないでしょうか。

農作業から生まれた東ティモールの民謡はどこか懐かしいメロディ。
もう一度足もとを見つめなおし、新しい未来を始めませんか。


[プログラム]

13:30【part 1】

希望の島の担い手 東ティモールの子供たち
中口尚子 東ティモールに図書館設立
川原妙子 孤児院と絵画交流
川原奏子

14:20【part 2】

ディスカッション 有機農業と私たちの未来
ツルネンマルテイ 有機農業を推進
ジョアン 東ティモールとバイオガス交流
アフォンソ
大森れい 兵庫県あ~す農場
大森あい

メッセージ
国会議員
岡崎トミ子
郡和子
コーディネイト:広田奈津子

14:20【part 3】

環音のミニライブ 東ティモール伝統音楽テベテベ
小向定 うたとギター
Sage ジャンベ
ジョアン
アフォンソ テベテベ
川原奏子

会 場

関交協ビルB1F ハーモニックホール新宿区西新宿7―21―20(新宿警察署近く、全労災の西向い、新宿西口徒歩5分)
>> アクセスマップ

お問合せ

TNCC東京事務局
TEL/FAX:03-3627-8384
tncc@tkk.att.ne.jp

主 催

東ティモール日本文化センター(TNCC)
東ティモールの孤児支援、言語・教育支援に加え、今年から有機農業や自然エネルギーシステム普及のためのプロジェクトをスタート。
(代表:高橋道郎 本部:仙台市)

ご賛同

東ティモールからのゲストの交通費など必要です。
賛同費:一口3,000円(複数口歓迎)
郵便振替口座 00120-4-582200
東ティモール日本文化センター(TNCC)

[賛同のご連絡先]
高橋道郎 携帯: 090-3360-9002 E-mail: michio-t@mtg.biglobe.ne.jp
大森れい、あい(あーす農場) Tel&Fax: 0796-75-2959
佐藤秋雄 Tel&Fax: 046-254-7497
田中正治 E-mail: masa-fly@sirius.ocn.ne.jp
渡邊義明 携帯: 090-4759-7879 E-mail: watanabe@afasseq.com
吉岡志朗 Tel&Fax: 03-3627-8384 E-mail: tncc@tkk.att.ne.jp

希望の島東ティモールイン宇部(8月23、24日)報告

希望の島東ティモールイン宇部(8月23、24日)報告書

会計報告

収入の部チケット売り上げ代86,800

祝儀等53.000

会場カンパ12,650

152.450円
支出の部会場費31,165

(シルバーふれあいセンター)

ゲスト交通費50,000

印刷代4,500

ゲスト飲食代6,710

雑費5,410

97,784円

収入152.450-支出の97,784=54.666円



収入(浄財)54,666円は東ティモールのために大切に使わせて頂きたいと思います。
宇部東ティモールの会会長 川原妙子


 お礼
 初秋の候、皆様には益々ご清祥の事とお喜び申し上げます。
先月行いましたイベント、希望の島東ティモールin宇部では多くの方々にお越しくださり、心よりお礼申し上げます。又、数々の不手際はどうかお許し下さい。
 それぞれのゲストの有意義なお話、大画面で見る東ティモールでの報告DVD、後半楽しいダンスと美しい歌声にうっとりと、あっという間の2時間でした。又23日24日と1階展示会場も多くの方々が両国の子ども達の絵画を鑑賞してくださいました。重ねて御礼を申し上げます。
 このたびのメインゲストのジョアンさん、アホンソさんは2人とも、前日の広島原爆資料館での印象をお話下さり、改めてわが国日本は被爆国であるということ平和とは、平和を守っていくには、又、日本人としての役割は、課題は、と、考えさせられました。皆様はどうお考えでしたでしょうか?
 そのようなことも考えながら、意見を交換しながら、小さな会ですが、私達にできる事を少しづつ、継続できたらと願います。
 どうぞ、これからも、皆様のご理解とご支援を宜しくお願い申し上げます。
 まだまだ、残暑が残っています、どうぞお体を大切にされますようお祈りします。

宇部東ティモールの会会長 川原 妙子
2008年9月5日
TNCC日本・第28次東ティモール訪問報告
TNCC 高橋 道郎

〔序〕
2008年7月TNCCの3名が約2週間東ティモールを訪問した。
以下文化教育プロジェクトと有機農業プロジェクトの第28次訪問の概要を報告する。

1 文化教育
(1) 原住民言語維持発展プロジェクト
a ウアイマア語
 ウアイマア語・テトゥン語・ポルトガル語・インドネシア語 語彙集完成
b ナウウェティ語
  ナウウェティ語文化圏の伝統的社会構造についての研究 その1 完成
c マカサエ語
  マカサエ語文法パンフレット その1 完成
d ファタルク語
  英語―ファタルク語語彙集 2009年1月完成めざし編集進行中
e マクア語
  消え行く言語マクア語を話す3人の80台の老人の日常生活・言語生活の
  録画録音のプロジェクト早急に行う必要性を確認
f マカレロ語 TNCC=CCDM
  マカレロ文化パンフレット 第3巻 第4巻 完成
  マカレロ語―テトゥン語―ポルトガル語 語彙集 ガスパル・セイシャル 
   著完成
g トコデデ語
   TNCCトコデデ語プロジェクト顧問のメノ・パイシャオンと会見。
(2) TBI(TNCC イリオマール 図書館)
2003年以来半年ごとの定期訪問を通じ、月曜―土曜開館体制の確立。
蔵書総数1800冊 そのうちテトゥン語345冊 地方言語152冊
          英語 918冊 ポルトガル語 308冊 
インドネシア語 75冊 フランス語2冊
 入館者数 2008年1月から6月まで 総数 4577名 
子ども 3864名 大人 713名 
(3) 孤児院支援・奨学制度
  ヴェニラレの孤児院に半年ごとの定例食料費補助金寄贈
  TNCC奨学制度 大学生 2名(メルボルン・ディリ) 
高校生 4名(バウカウ 3名 デイリ1名) 
2 有機農業
(1) TAIP TNCC AGRICULTURE ILIOMAR
         PILOTFARM 
イラベレ村 豚の飼育 キャサバ生産 野菜果物栽培
  豚の身体を洗うため、伝統的手動ポンプ井戸完成
  今後水田耕作を始める準備を行う
  ベトナム式バイオガスシステムの設置を計画中。
2008年8月―10月二人の農民を日本に招待。有機農業交流実施中。
(2) TAUP TNCC AGRICULTURE UAT0RARI   
 PILOTFARM
  サビカ司令官(顧問)参加の下にTAUPを結成。2009年に二人の
  代表を第3回希望の島・東ティモールのプロジェクトに派遣する準備開始。
(3) TAOP TNCC AGRICULTURE OSSU 
PILOTFARM 
  2006年以後の政治危機でビケケ県オス郡ロイフノ村のTNCCキャサ 
  バ・プロジェクトが一時停滞していたが前ディレクター中心に新グループ   
  を再組織しTAOPとして活動を再開。2010年に二人の代表を第4回希望の島・東ティモールのプロジェクトに派遣する準備に入る。
(4) KOKODES TNCCの合計1000ドルの連帯ローン(無利子・
  無抵当・元本返済義務)開始された有畜農業プロジェクト。着実に収益を
  上げ元本返済の準備進む。2011年に二人の代表を第5回希望の島・東ティモールのプロジェクトに派遣する希望あり。
(5) ベタノ村
  第1回希望の島・東ティモールで2007年来日したマヌファヒ県サメ
郡ベタノ村にジョゼさんを訪問。 ジョゼさんの水田を視察。
    
(結)2008年1月第29次訪問予定。各プロジェクトの継続発展を期す。

(広島紀元64・2008年9月11日 仙台にて 脱稿)

2008年10月1日水曜日

東ティモール訪問(バイオガス交流)報告

TNCC 自然エネルギー担当 仁井明


 去る2008年7月4日から18日まで、バイオガス交流その他を目的に、東ティモールを訪問しました。 ここでは、バイオガス交流の一部について報告します。 訪問先は、ディリ(首都)、東部のロスパロス、南の海、ティモール海に面したベタノ村です。
〔なお、下記地図は、『季刊 東ティモール』の許可を得て、転載しています。〕

20080915_001.jpg

1. NGO VECOM との交流 (ディリ、ロスパロス)
 このNGOは、人々が食事の煮炊きを熱帯雨林の伐採によって賄っている現状を憂える女性国会議員さんが、私費を投じてバイオガス設備を造り、人々への教育を通して、バイオガス普及・促進を図っている団体。 本部は首都ディリにあり、意見交換するとともに、設置中のベトナム式バイオガス設備を見学させていただいた。 また、支部が東部のロスパロスにあり、ここでは、ドラム缶を使った移動式バイオガス設備が運転中であった。
 なお、このNGO訪問は、東ティモールにおいて漁業の発展を目指し、漁船造りから指導されている日本人の方からの紹介で実現した。

(1) NGO VECOM本部訪問 ・・・ 首都 ディリ市内

ベトナム式バイオガス設備

・セメントブロック槽のサイズ : 1m幅×5m幅×1m深さ、発酵槽 : 5㎥
・この中に、フィルム式発酵槽が入る。
・東ティモールでは、雨季の風雨が強く、また棘のある植物も生えるとのことで、フィルムを保護するために、セメントブロック槽を作っているとのことで、現地の気候風土をよく考えて作られており、感心した。

20080915_002.jpg
原料(牛糞)投入口


20080915_003.jpg
液肥取出側

20080915_004.jpg
発酵槽(事前成型されている)

20080915_005.jpg
 ガスバーナもバイオガス専用のものが販売されている。 完成の暁には、設備の傍にデモンストレーション用の台所を作り、人々を対象に普及促進を図るとのこと。
 人口約100万人の8割の人は、電気の無い生活をしている。 炊事用の燃料としては、熱帯林を切って薪にしているのが現状である東ティモールにおいて、人々がバイオガスにかける期待と意欲は非常に大きい。

20080915_006.jpg
 訪問した日、たまたま、当該NGOによる、バイオガス研修の修了証授与式が行われおり、出席された数名の関係閣僚より修了証の授与が行われた。政府を挙げての意気込みが感じられた。


(2) NGO VECOMのロスパロス支部訪問

20080915_007.jpg
 ドラム缶式(運搬可)バイオガス設備
ドラム缶(200L)を直列に2つ溶接で繋いだもの。容積は400L。左側が原料(水牛糞)投入口。右側から、液肥が出てくる。中央上部にバイオガス取り出し口がある。 タイヤのゴムチューブをバイオガス貯蔵タンクとして利用している。

20080915_008.jpg
 左側にある原料(水牛糞)投入口。
原料投入は、毎日、20Lバケツ2杯分の牛糞、およびそれと同量の水。

20080915_009.jpg
 バイオガス取り出し口

20080915_010.jpg
 バイオガス圧力計(水柱マノメータ)。
 水ではなく、水銀を使っていた!
 驚いて理由を聞くと、水だと圧力が高く(通常でも、約160mmH2O)なりすぎ、水が噴出してしまうとのこと。これは、現地が熱帯である上、ドラム缶製なので太陽熱の吸収が良く、さらに、埋設型と異なり地上にあるため、放熱が少ないためであろう。
 そのため、バイオガスの発生が非常に良好で、3~4hr/(日・1バーナー)使用可能とのこと。実際に、バーナーに火を点けてもらったが、日本の都市ガスと変わらないくらいに燃えていた。
 中国式標準埋設型バイオガス設備(6㎥)の15分の1の設備で、これだけのバイオガスが得られるのは驚きである。

20080915_011.jpg
 本設備を設計制作したスタッフとテトゥン語の通訳していただいたシスター。
シスターの隣が、リーダーである農業専門学校の先生、ならびに小学校教師である2名のスタッフ。この設備の準備、設計、製作に4年を費やしたとのこと。 森林を守り、人々が自立して生活できるように、地域の先頭に立っておられる。その情熱に感動した。


〔有毒ガス測定〕
リーダーが農業専門学校の教師であることもあり、非常によく勉強されていた。 有毒ガス発生の危険性、PH測定の必要性についても認識されていた。 ただ、残念ながらそれらの測定器具が無いとのこと。 そこで、日本から持ち込んだ、簡易ガス測定器を用いて代表的な有毒ガスを測定した。

その結果、
◆硫化水素(H2S)は、全く検出されなかった。これは、水牛の餌となる牧草が、イオウ分(S)を含むアミノ酸(シスチン、メチオニン)を含んでいないためであろう。
◆フォスフィン(PH3)も全く検出されなかった。このガスは毒性が強く、その意味では安全であるが、リン(P)は植物の3大栄養素(N、P、K)の一つであり、逆に言えば土地がリン(P)不足の状態にあることを示唆する。
◆CO2は19%であった。一般に、CO2は25%~40%程度とされており、かなり少ないようだ。 熱帯地方に特有な組成になっているのだろうか?

〔感想〕
① スタッフの知識は豊富。村々まで電気が供給されている日本では、有機農業推進、地球温暖化対策、持続可能社会の実現、といった意識を持った人々がバイオガスを試みているのが現状である。一方、東ティモールでは、差し迫った切実な強い目的意識を持って開発に取り組んでいる。 この点、むしろ日本が東ティモールから学ぶことも多い。
② バイオガス発生量は、熱帯であるだけに日本よりかなり多そうだ。
③ 各種測定器具があれば、現地の意識を持った人々で十分、設計、運転、管理できる。
④ なお、一般の人々の意識はまだ低い。人々の意識・意欲の向上と自立心の育成が最も重要と思われる。
この点、バイオガスや有機農業に関わる研究機関、教育機関、後進国型バイオガス関連資材の自国製造産業(現在は、殆どの資材は輸入に頼っている模様)等の育成と整備を図ってゆけば、都市部若年層の失業率が40%以上ともいわれる東ティモールの人々の自立心、意欲向上とともに、生活レベルの向上に大いに役立っていくのではないだろうか。

2.MCE-A(Movimento of Cooperativo Economico-Agricola)
東ティモールにある、政府関連の団体で、1999年に設立。 当初は、8つの稲作、コーヒー農家の協同組合のグループとして発足。 その後、主として地方の村落地方を対象として、バイオガスの普及による炊事用ガス利用、発電による電気供給を目指して、発展途上国型としてはかなり大規模な設備の普及を図っているようだ。 財源は東ティモール政府や諸外国からの支援を受けている模様。 ニュージーランドのNGO等も技術支援、教育の面で関わっている。現在では、50数箇所の協同組合が参加しているようだ。


3.ベタノ村におけるバイオガス設置ミーティング

20080915_012.jpg
 ベタノ村へは、途中、2400m級のカブラキ山(写真)を右手に見ながら、1800mの峠を越えてゆく。 山中に入ると舗装されておらず、下を見れば断崖絶壁の道が続く。

20080915_013.jpg
ベタノ村に着くと、森を抜け

20080915_014.jpg
川を渡り

20080915_015.jpg
海沿いの田畑に出た

① (ビデオ)ジョゼ(Jose)さんの田畑と作業小屋


 7月は乾季だが、湧き水に恵まれ、2期作、3期作が可能とのこと。

② メッセージ交換(於/作業小屋)

 昨年秋、Joseさんは、兵庫県のあーす農場でバイオガス研修と有機農業交流を行った。
 今回、Joseさんの作業小屋で、あーす農場の、れいさん、あいさん からのプレゼントを手渡し、メッセージ交換を行った。

れいさん、あいさん より(ビデオ)


ジョゼ(Jose)さん より (ビデオ)


③ TNCCと協働で、ベタノ村にバイオガス設備を設置することについて、集落の人々とミーティングを持った。 結論として、ベトナム式バイオガス設備を村の診療所横の空き地に設置することとなった。 この村も煮炊きは薪を使い、夜はローソクの生活。

バイオガス設置ミーティングの様子(ビデオ)


20080915_016.jpg
ベタノ村の診療所

20080915_017.jpg
バイオガス設置場所
(診療所横の空き地)
傍には、小川も流れており、立地条件としては最適。

④ ベタノ村の海と子供達
ベタノ村は、20万人の人々が殺害される原因となった、豊富な油田、ガス田があるティモール海に面している。

20080915_018.jpg
その海は、紺碧、静謐、かつ平穏で、これまでの東ティモールの人々の長い苦難の歴史を思うと戸惑いを感じざるを得なかった。

20080915_019.jpg

20080915_020.jpg
長い苦難の歴史を越えて、子供達の笑顔は素晴らしい。

TNCC-JAPAN第42次現地支援訪問

TNCC-JAPAN理事長髙橋道郎は、タウル・マタン・ルアク大統領と8月9日(日)には私邸で、8月21日(金)にはTNCCタイベシ事務所で、2回会見した。写真は8月21日第6回TNCC全国農業会議に出席された時の会見である。 (8月21日午前9時50分TNCCデイリタイベシ事務...