2012年3月17日土曜日

2012年、第3回絵画交流、第2回音楽交流について、ご報告(川原妙子・川原奏子)

◆2012年、第3回絵画交流、第2回音楽交流について、ご報告
川原妙子

 2012年1月23日から26日、29日から31日朝まで約1週間を東ティモール、バウカウ県ラガ郡のサレジア女子修道会経営のラガ孤児院で絵画と音楽の交流を行いました。

 先ず絵画交流では、高橋理事長、吉岡事務局長、奏子の協力のもと、また、エウゼビオさんのテトゥン語の通訳の協力もあり、すばらしい交流となりました。
 日本の子供たちの絵画117点をラガの孤児院の子供たちに(5歳から16歳)プレゼントできましたが、とりわけ、メッセージがテトゥン語に訳されていると聞いた子ども達から、歓声があがり、プレゼントされた絵画とメッセージを声に出して読んだり、友達と交換して見せ合ったり、何も言わずじっくりと読んでいた子供たちもいました。低学年の子ども達の中には、まだ、文字の読めない子供たちもいて、シスターが読み方や文字を教えていました。
 シスターエルメリンダ院長の協力は大きく、まだ絵を描いたことのない、低学年の子どもの手を持ち、いっしょに描いていた様子が印象に強く残っています。
 絵画は全体的に創造的なモチーフは少なく、花、山、建物など身近な写実的な絵が多く見られました。しかし、2003年、2008年に比べても主題を大きく捕らえ、堂々と描いて、色彩も物怖じせず、明るい色を好んで使っていました。低学年の子供の絵で少し気になったものがあったので、シスターに聞くと、最近入所したばかりで、まだ、孤児院の生活に慣れていないと言われました。中学生のグループの中には、水彩絵の具を使うことは普段はないせいか、自分自身の作品では飽き足らず、日本のプレゼント絵画の上からも同じ色で塗っていた様子には驚きました。
 また、メッセージもかなり長文で書いてくれた中学生も見受けられ、翻訳が楽しみです。

 




 次に第2回音楽交流について 指導者 川原奏子
 これは、奏子の方から報告します。

 2012年1月27日TBI(TNCC BIBLIOTEKA ILIOMAR)ラウテム県イリオマール郡イリオマール第1村にあるTBI図書館を訪問しました。
 この度の目的のひとつがこのTBIに約200枚の絵をプレゼントすることでした。
 約100枚は山口県宇部市の上宇部小学校6年生の描いてくれた絵画です。絵の裏のメッセージは、下関市立大学のサークルグループ「JASH」ジャッシュの英語翻訳付です。

 後の100枚は私の教室の生徒の絵です。絵の裏のメッセージは、全て、テトゥン語に翻訳してあります。翻訳者は大阪の亀山恵理子さんと長野県の及川てい子さんです。
 娯楽の少ないイリオマールの子ども達が日本の子供達の絵を見てメッセージを読んでくれると本当に嬉しく思います。
 図書館会議のあと、館長さんが直ぐにタイプを打って、私宛のお礼のお手紙を書いてくださり、そのお手紙を高橋理事長より、ディリで頂きました。今私の宝物のひとつになっています。

 また、初めて図書館、農業、言語の3会議に出席できたことはTNCCの草の根の活動をより理解できました。TNCCは小さなグループですが、その活動内容は大きく、東ティモールの人々に本当に寄り添った支援だと確信しました。その支援にささやかな協力ができたことに娘の奏子も私も心から嬉しく思い、この度の経験を踏まえ、次のステップに繋げていきたいと願っています。
 高橋理事長を初め、吉岡事務局長、エゥゼビオ副代表、TNCCのみなさま、心からお礼申し上げます。

ジョアンさん農場TBI会議の予定
イリオマール図書館図書館会議の様子


◆第2回音楽交流報告
川原奏子

 孤児院に到着した翌朝、まだ子供達と顔を合わせてもいないのに『mana Kanako~』と叫ぶ声や、私が以前訪問した時に教えた大きな栗の木の下でを歌う子供達の元気な声で目が覚めました。
 一目見るとわかる子供達が多くあ、あの子だ!とわかると私はすぐ駆け寄り、あなたのこと、覚えているよとテトゥン語で伝えました。

 初日は、エウゼビオにテトゥン語を少し教えてもらい、私はテトゥン語で挨拶をしました。シスターも子供達もとても喜んでいるように感じました。

 それから、母にサポートしてもらい、二人でマルマルモリモリをテトゥン語バージョンで披露しました。
 子供達は1日1時間足らずの私のレッスンをたった3日ですぐに吸収し、マルマルモリモリを歌いながら踊れるようになり、少し複雑な振り付け部分は「もう一回!もう一回!」と何度も何度も繰り返し踊れるようになりました。
 最後はグループで発表するような形で、シスター達のグループはとても愉快で大歓声が飛んでいました。

 最終日は少し時間に余裕のある中学生だけで「もみじ」も歌いました。
 遠くで聞いていたシスタースザーナがこの曲を気に入り、教えてほしいとのことでピアノの伴奏を伝授しました。
 そしてスザーナに「もみじ」を教えている最中にも何人かの子がピアノを弾く私の指の動きをジッと見て、見よう見まねで弾いていました。
 その時私は、すごく音に対して敏感で感心を持っていることに驚いたのと、きっとこの子達はみんなで歌う時に伴奏が必要だから、他の子に教えるためにも自分から覚えて弾けるようになりたいという一種の責任感のようなたくましい姿勢を感じさせられました。


 今回の訪問は以前より長くラガにいたことで、子供達とふれあう時間もたくさんあり、一緒にチャーチに行ったりマーケットに行ったり、海に行くとたくさんの綺麗な石や貝やサンゴを拾って私にプレゼントしてくれたりしました。

 海の近くに一本の大きな木がありました。きっと何百年何千年と生きているかのようなみたこともないくらい大きな木、その周辺には田畑があり、水牛が水浴びをしていたり山羊の群がお食事をしていたり、、人と自然と動物が一緒に暮らす、まるで昔の日本のような光景でわたしの心にジンと来ました。


 最終日、外にテーブルと椅子を並べ、子供達と一緒にディナーをしました。
私が食べてる最中に子供達がザワザワしだし、突然ある子が踊り出しました。ものすごく過激でヒップホップのようなダンスをふざけて踊っていたので一体どこで覚えてきたのかがただただ不思議で。。
もうそこからさよならパーティーは始まっていました。
 中高生の昔ながらのティモールの伝統ダンスから小学校低学年によるあの過激なダンスを今度は5人が私の目の前で踊るので私も興奮して一緒に踊るともうそれはそれは大フィーバーしました。
 最後に私は弾き語りで一曲プレゼントしました。「花咲く旅路」
 この曲はまさにティモールを旅する私の心境を表すかのような曲で、やはり感情が入り込むと涙を隠せずにはいれませんでした。
 子供達のキラキラした顔をみると嬉しくてでもなぜか切なくて涙が止まらないのです。

 翌朝子供達は学校に行く準備をして、まだ涙が止まらない私のそばにずっと寄り添っていてくれました。
 最後は大きく手をふりつづけ、笑顔でお別れすることができました。


 今回の訪問を経て、少しづつ私は失いかけていた自信を取り戻しつつあります。もちろん私に自信を与えてくれたのは子供達です。あの子達の輝く笑顔とたくましい声が私の胸に鳴り響き、エネルギーを燃やします。

 また高橋さんはじめ、吉岡さん、エウゼビオなど、他たくさんの方々のサポートで私はまたティモールに行くことができ、貴重で素晴らしい体験をし、二回目の訪問ということで子供達とも深い絆ができたように思います。
 大変感謝しております。
 ありがとうございました。

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